活動実績

千葉商科大学サービス創造学部 横山真弘ゼミナールで代表 徳田が新規事業開発の講義を担当

当社代表の徳田顕が、千葉商科大学サービス創造学部 横山真弘ゼミナールにおいて、サブゼミの講師として新規事業開発の講義を担当しています。テーマは「市場データに基づいた新規事業開発」。2025年5月に開始し、2026年度も継続しています。

学生4チームが立案した事業アイデアに対し、当社が事業開発の支援で用いている仮説検証の手順に沿って講評と課題提示を行い、事業モデルとして成立する水準まで引き上げることを目的としたプログラムです。

指導の方針

扱うのはアイデアの発想法ではありません。立てた仮説を誰に何を聞いて確かめるか、想定と異なる回答が返ってきたときにどこを直すか。当社が実務で踏んでいる手順を、学生自身の題材で一巡させます。

各回の進め方は共通です。チームごとの発表を聞き、仮説の弱い箇所を指摘し、次回までに何を検証してくるかを課題として渡す。翌回はその課題への回答から始める。この往復を5回繰り返しました。座学で手順を説明するのではなく、自分の案が指摘を受けて崩れ、直して持ち直す経験をしてもらうためです。

各回で指摘したこと(2025年度・全5回)

実施日講評と提示した課題
第1回2025年5月15日各チームの事業アイデアに対し、ターゲット像の明確化とニーズに基づく仮説の立て方を指摘。「誰に価値を届けるのか」「その課題は実在するのか」の2点を次回までの課題として提示。
第2回2025年5月30日課題としたヒアリング対象の設定と仮説構築を確認。設問が仮説の検証につながっているか、対象と設問にズレがないかを点検し、軌道修正と深掘りを求めた。
第3回2025年6月13日各チームのヒアリング結果を分析。当初の仮説と実際の回答との差分を明確にし、事業アイデアのどこを修正すべきかを提示。
第4回2025年6月27日指摘を反映して再構築されたアイデアを確認。最終発表に向けて論点を整理。
第5回2025年7月24日学内での最終発表に立ち会い、講評。

ヒアリングの設計に1回分を充てた理由

第2回はヒアリングの設計だけに充てています。検証の精度が、対象と設問の設計でほぼ決まるためです。

対象を間違えれば、どれだけ丁寧に話を聞いても仮説は確かめられません。設問が仮説と結びついていなければ、回答が集まっても判断には使えません。事業開発の実務でも、ここを詰めないまま調査に入ると、集めたデータが意思決定に使えず、調査そのものをやり直すことになります。学生に対しても、実務と同じ基準でこの工程を確認しました。

教室で学生がスライドを使って発表している様子。
講義の様子。学生が調査結果を発表しています。(写真提供:千葉商科大学サービス創造学部)

指導のねらいが表れた場面

第3回では、あるチームがヒアリング先の確保でつまずいた経緯が共有されました。保育園への協力依頼が準備不足を理由に一度断られ、資料を整えて目的と質問内容を説明し直したうえで、後日あらためて協力を得ています。実際に聞いた結果は当初の想定と異なり、事業内容の見直しにつながりました。

仮説を机上で完成させてから動くのではなく、動いた結果で仮説を直す。この順序を体験として持ち帰ってもらうことが、このプログラムのねらいです。最終発表では、各チームのプランが当初案と比べて具体化し、実現可能性の高い内容に仕上がりました。

教室で学生が発表し、着席した参加者が聞いている最終発表の様子。
学内での最終発表。各チームの発表に対して講評を行いました。(写真提供:千葉商科大学サービス創造学部)

当社がこの活動を続けている理由

新規事業のご相談をいただく中で不足を感じるのは、開発できる人材ではなく、検証したうえで判断できる人材です。AIの活用によって、形にするまでの時間は大きく短縮されました。その結果、成果を分けるのは「何を確かめるべきかを設計する力」になっています。

この力は説明を聞くだけでは身につきません。自ら仮説を立て、対象に依頼し、想定と異なる回答を受け取り、そこから直す。一連を通した人にしか残らないものです。当社が大学での講義に継続して関わっているのは、この経験を積む場を実地で提供できるからです。2026年度も同ゼミでの指導を継続しています。


※2025年度はプライマル株式会社 執行役員として、2026年度以降は Arcana Technology 代表として担当しています。

参考:千葉商科大学サービス創造学部 note「市場データに基づいた新規事業開発」(2025年9月13日公開)